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【最新】後継者不在率について解説!業種別、都道府県別のランキングや対策トレンドとは?

ここ数年、日本の中小企業における後継者不在の問題は大きな注目を集めています。
ただ、最新のデータによると、この問題は徐々に改善している傾向が見られます。
今回は、その背景と具体的な調査結果をご紹介しながら、一緒に見ていければと思います。

後継者不在率は年々改善傾向に

長らく懸念されてきた日本の企業の後継者不在の問題。
しかし、ここ数年の動向を見ると、改善の兆しが見えてきました。
事業承継がスムーズに進むための取り組みや、親族内に限らない引継ぎなどの普及が功を奏しているのか、後継者不在率は年々下がっています。

後継者不在率の全体平均は?

後継者不在率について参考になるのが、全国「後継者不在率」動向調査(2023 年)です。
最新の2023年11月の発表によれば、2023年の全国27万社でのアンケートの結果、後継者が「いない」又は「未定」と回答した企業は、およそ14.6万社に上り、全体の53.9%という結果でした。
この数値を帝国データバンクでは「後継者不在率」として毎年調査しており、2022年の57.2%から、3.3%の改善でした。
この後継者不在率は年々改善しており、調査を開始した2011年は65.9%だった頃と比べると、確実に改善の兆しを見せています。

さらに、同データでは、2018年から2022年まで追跡可能だった14万社を確認したところ、新規に後継者策定を行った企業が31%の約4.3万社あった。既に事業承継を行い、代表者交代後に新たに策定した割合が13%、まだ事業承継は行っていないけれど後継者を策定したのが18%という割合になった。

60代以上、70代以上で見るとさらに改善傾向に

年代別に見てみてみると、全年齢で後継者不在率が過去最低に改善されています。
特に50~60代を中心に改善が進みました。
40歳代未満では約8割の企業が後継者不在の一方、60代は約4割、70代は約3割と、社長が高齢な会社では、さらに後継者不在率が改善していることがわかります。

このような結果が得られた背景

このように改善に向かっている要因として、全国の金融機関による事業承継に関する相談窓口の普及や、M&Aといった親族・会社関係者以外に引き継ぐ手段が普及してきたことが考えられます。
その他、国や自治体の後継者育成の取り組みや、事業承継税制といった優遇措置といった、多方面からのサポートが考えられます。
一方、全国的に改善はしているものの、実際には都道府県ごとに大きな違いがあります。
次は、地域ごとの後継者不在率をもとに、その背景や現状を探ってみたいと思います。

後継者不在率!最新都道府県別ランキング

帝国データバンクの調査結果から、都道府県毎の後継者不在率のランキングを出したのが下記になります。

後継者不足が顕著な都道府県はどこ?

全国的に見て、後継者不在率が特に高い都道府県がいくつか存在します。
一番後継者不在率が高かったのは鳥取県で71.5%でした。前年と横ばいの結果となりました。
次に多かったのは秋田県で70.0%でした。昨年から0.1%の悪化となりました。
昨年一番高かった島根県は5.9%改善し、3番目という結果でした。
山陰地方に、ベスト3のうち2つが集中した形になりました。

後継者不在率が低い都道府県ランキング

後継者不在率が最も低かったのは、30.2%で昨年に引き続き三重県でした。三重県は3年連続で全国で最も低い後継者不在率をキープしています。
その要因は、三重県が平成30年より「三重県事業承継支援方針」を策定し、後継者不足の課題に取り組んできたことがあげられます。事業承継診断などを通して、経営者に早目からの準備を啓蒙する活動に力をいれてきたことが、この結果につながっていると考えられています。
後継者問題は、日本全体の問題として捉えられることが多いですが、実際には地域ごとの特色や取り組み状況に違いがあります。
後継者不在率が低い地域の取り組みを他の地域が真似ることで、さらに全体の後継者不在率を下げられる可能性があります。

後継者不在率業種別ランキング!

次に、業種ごとの後継者不在率を見ていきましょう。

後継者不足が顕著な業種は?

最も後継者不在率が高かったのが自動車ディーラーの66.4%、次いで医療業で65.3%でした。

後継者不在率が低い業種はなに?

一方、後継者不在率が最も低かった業種は化学工業、次いで金融・保険となりました。

後継者不足問題の対策トレンドとは

社長様はさまざまな方法で事業継続を試みますが、引継ぎの方法についてもトレンドに変化が出始めています。
次は事業承継の対策として、どんな引継ぎ方法が増えているのか見てみたいと思います。

事業承継の主な4つの進め方

事業承継の方法は一つではありません。よく検討される4つの方法をご紹介させて頂きます。

同族承継とは

伝統的な方法であり、親から子へ、または親族内で事業を継ぐ形です。
この方法はファミリー企業の文化を守り続けることができる一方、新しい風を取り入れることが難しい場合もあります。

内部昇格とは

社内から優れたリーダーシップを持つ人材を選び、経営のトップへ昇格させる方法です。
企業文化や事業内容を熟知している人材が選ばれることが多いです。

外部招聘とは

社外から新たに経営者を招く方法です。
新しい視点や技術、経験を事業に取り入れることができるというメリットがあります。

M&A(出向含む)とは

他の企業との合併や買収を通じて事業継続を図る方法です。
買収企業の資本やリソースを合わせ、相乗効果が期待できます。
買収する方も、される方も、新しい市場や顧客層にアプローチすることが可能になるなどのメリットがあります。

親族内承継の割合が減少し、血縁に関わらない承継が伸びている

ここ数年、一番割合として大きかった「同族承継」ですが、2023年さらに4.5%下げ33.1%に急減しました。
一方で、内部昇格が35.5%と初めて1位となりました。
M&A、外部招聘共に伸びており、同族に限定しない事業承継が進んでいることが伺えます。
血縁に限らない「内部承継」「M&Aほか」「外部招聘」を合わせると、過半の60%を超えてきています。
後継者不在という課題に対する有効な解決策として、血縁に限定しすぎず、幅広い選択肢が受け入れられてきている様子が伺えます。

まとめ

総合的に見ると、日本の企業界における事業承継は大きな変革期にあると言えます。
伝統的な「同族承継」から、新しい方法へと移行しつつあります。
同族であれば、共通の価値観や考え方の上、準備期間は短くてもスムーズに進むかもしれません。
しかし、血縁に関係の無い承継については、同族の場合よりも準備期間を長く見ながら、承継を試みる必要があります。
今後も、早目の準備開始と、様々な選択肢の検討が、理想の事業承継を実現するためには、ポイントとなりそうです。

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