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後継者の設備投資に使える東京都助成金|第14回は10月23日から受付

「設備を新しくして、次の経営者が仕事を進めやすい環境を残したい」「後継者の新しい挑戦を応援したいけれど、まとまった資金を使う判断は慎重にしたい」。事業承継と設備投資を一緒に考えるときは、こうしたお気持ちもあるのではないでしょうか。

東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」には、承継をきっかけとした設備導入を支える「後継者チャレンジ」という区分があります。第14回の申請受付は、2026年10月23日9時から11月24日13時まで。この記事の確認日である10月2日時点では、まだ申請受付前です。

通常コースの助成率は対象経費の3分の2以内ですが、購入代金の全額が先に入る制度ではありません。承継の方法、設備を契約する日、助成金が入るまでの資金繰りによって、自社に合うかどうかが変わります。ここでは第14回の条件を、ご自身と後継者、経理担当者、相談先が一緒に検討できる順番で整理します。

制度の条件は、東京都中小企業振興公社の第14回公式案内と募集要項を2026年10月2日に確認しています。以下の試算や検討例は、制度の条件を踏まえたKAKEHASHI独自の整理であり、採択事例や受給保証ではありません。

後継者チャレンジは、どのような設備投資を支える制度か

この区分は、事業承継を契機として、後継者が中心となり、事業の多角化や新たな経営課題への対応に必要な機械設備を導入する取組が対象です。製造業だけの制度ではなく、さまざまな業種が対象になっています。ただし、業種を問わないことと、どの法人・設備でも申請できることは同じではありません。

たとえば、これまで外注していた加工を社内で行い、納期の短縮と品質の安定を図る計画や、後継者が開拓した取引先へ製品を供給するための生産設備などが検討の出発点になります。「何を買うか」に加えて、「どのお客様に、どのような価値を届けるか」が伝わると、設備を選ぶ理由も整理しやすくなります。

一方、事業計画を伴わない単なる設備更新や、販売・量産の見通しが立っていない研究開発は対象外です。古い機械の買換えがすべて否定されるという意味ではありませんが、「老朽化したから」という説明だけではなく、承継後の事業をどう発展させる設備なのかを具体的に確かめる必要があります。

先代が築いた取引や技術を生かすことと、後継者が新しい取組を進めることは両立できます。大きく事業を変える前提にせず、今の強みをどの設備で引き継ぎやすくするか、という話し合いから始めてもよいでしょう。

工場で培った技術と今後の設備投資について、オーナー社長と後継者が一緒に検討するイメージ

発表日・申請期間・設備を購入できる期間を分けて確認する

第14回は、2026年9月1日に東京都と公社が募集を発表しました。発表された日から設備を購入してよいわけではありません。今回の助成対象期間は2027年4月1日から、最長2028年9月30日までです。募集要項では、この期間内に契約、納品、支払いを完了することが条件になっています。

第14回の主な日程
段階 日付・時期 経営者が確認したいこと
公式発表 2026年9月1日 募集の案内が出た日。申請受付開始日とは別です。
申請資格の基準日 2026年10月1日 都内の所在地や継続年数などを確認する基準です。
申請書類の提出 2026年10月23日9時〜11月24日13時 Jグランツで提出を完了します。締切は夕方ではありません。
一次審査・結果通知 2026年12月中旬〜2027年1月中旬、結果は1月下旬の予定 書類・資格・経理・事業計画の審査があります。
二次審査・採択 面接等は2027年2月中旬〜下旬、事業者決定は3月中旬の予定 指定される面接日時や出席者の条件を確認します。
助成対象期間 2027年4月1日〜最長2028年9月30日 契約・納品・支払いのすべてを期間内に収めます。
助成金の受取り 設備代金の支払い、完了報告・検査、額の確定後 後払いです。賃上げコースは2回に分かれます。

出典:2026年9月1日の公式発表、第14回募集要項の「募集スケジュール」。審査等の日程は変更される場合があります。

この日程から考えると、年内に壊れた機械を入れ替えたい会社には、今回の助成事業が間に合わないことがあります。助成対象にするために無理に修理や生産を待つのではなく、事業継続に必要な支出と、来春以降に実行できる投資を分けて考える方法もあります。

また、2027年3月に交付決定を受けても、その日からの契約が対象になるわけではありません。見積依頼と注文・契約は別の手続きです。納期を確保するための予約や手付金が契約と扱われる可能性もあるため、先に支払う約束をする前に、公社へ取扱いを確認すると安心です。

承継の時期と方法は、自社に当てはまるか

基本となる申請資格は、2026年10月1日時点で東京都内に登記上の本店または支店があり、都内で2年以上継続して事業を行う中小企業者等です。都内に登記だけがある状態では足りず、事業の実態が確認されます。納税や過去の助成事業、企業規模などの条件も募集要項で確認します。

後継者チャレンジでは、さらに2023年10月1日〜2027年3月31日に承継した、または承継する予定という条件があります。すでに引き継いだ方だけでなく、条件を満たす承継予定者も候補になります。ただし、設備投資のためだけに引退や承継を急いで決める必要はありません。後継者の意思や準備、ご自身の希望する関わり方と照らし合わせて検討する制度です。

承継方法による確認ポイント
想定している引継ぎ 募集要項の扱い 確認に使うもの
同じ法人の代表者を後継者へ交代 対象となる承継方法の一つです。対象期間中の就任等を確認します。 登記事項、事業承継概要書、後継者の役割
法人間の吸収合併・吸収分割・事業譲渡 対象方法として列挙されています。M&Aの場合の申請者は承継者です。 契約書等、承継の実態、経営資源の引継ぎ内容
個人事業の廃業・開業を伴う事業譲渡 所定の承継方法に該当するかを確認します。 開廃業関係書類、資産・事業の引継ぎ内容
個人事業主から新設法人への承継 個人事業の廃業を伴う事業譲渡が列挙されています。 法人設立、廃業、承継関係の書類
法人間の株式譲渡など 募集要項FAQでは、法人間の株式譲渡・株式交換・新設合併・株式移転等は対象外です。 売買方法だけで判断せず、契約の形と申請主体を公社に説明します。

「M&Aも対象」とだけ読むと、どの会社売却にも利用できるように感じられますが、制度上の承継方法には範囲があります。親族・従業員への株式の移転と代表者交代を伴う場合など、個別の組合せは、上の表だけで可否を決めず、登記と契約の予定を持って公社へ確認してください。承継方法の基本は、事業譲渡と株式譲渡の違いでも整理しています。

代表者交代等の該当する承継方法では、二次審査への後継者本人の出席が必要です。申請書に記載した後継予定者を後から変更することも、原則認められません。先代と後継者がともに代表権を持つ場合は対象になり得ますが、後継者が中心となって事業を進める必要があります。

都外の工場への設置も、東京都内に本店があるなどの条件を満たし、所定の地域であれば候補になります。対象地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県です。「東京の制度だから都外の設備はすべて対象外」「東京に支店があれば都外にも設置できる」のどちらとも限りません。

通常コースと優遇コースで、負担はどのくらい変わるか

後継者チャレンジの助成額は100万円〜1億円です。通常コースは対象経費の3分の2以内、ゼロエミコース・賃上げコースはそれぞれ4分の3以内となっています。ゼロエミと賃上げの助成率を足し合わせることはできません。小規模企業だから後継者チャレンジでも一律5分の4になる、という制度でもありません。

次の表では、税抜の助成対象経費が1,200万円で、各条件を満たし、全額が対象と認められるケースを比べます。助成率の違いを理解するための試算で、実際の審査や対象経費の確定によって金額は変わります。

対象経費1,200万円の場合の独自試算
区分・コース 助成率上限 助成金の計算例 対象経費の自己負担分
競争力強化・中小企業者の通常コース 1/2 600万円 600万円
後継者チャレンジ・通常コース 2/3 800万円 400万円
後継者チャレンジ・ゼロエミコース 3/4 900万円 300万円
後継者チャレンジ・賃上げコース 3/4 計900万円。1回目800万円、達成確認後の差額100万円という計算 最終的に300万円。差額受領までは負担が残ります。

消費税、対象外経費、借入利息、追加の運転資金は、この自己負担欄に含めていません。競争力強化の小規模企業者は別の助成率が設定されているため、上表の中小企業者の通常コースとは分けて比較してください。承継要件に合わない場合も、競争力強化区分など別の選択肢を確認する余地があります。

後継者チャレンジの通常コースと賃上げコースの差は、この例で100万円です。しかし、賃上げに伴う人件費は設備導入後も続きます。追加助成だけでコースを選ばず、従業員への還元方針と、受注・粗利益の見通しを合わせて考えると、承継後の経営に無理を残しにくくなります。

賃上げコースには、給与支給総額や事業場内最低賃金について所定の引上げ要件があります。第14回で比較する給与の期間は2025年10月〜2026年9月です。制度上の給与支給額の定義にも注意し、普段管理している総支給額と同じだと思い込まず、経理担当者や社会保険労務士と募集要項を確認してください。

対象設備と、見積書で分けておきたい費用

対象となるのは、新たに導入する機械装置、器具備品、ソフトウェアなどです。機械装置・器具備品は原則1基50万円以上、ソフトウェアは1基300万円以上という税抜金額の基準があります。ソフトウェアは助成対象経費の上限が1基2,000万円で、複数基でも合計2,000万円までです。

ソフトウェアについては、すでに仕様が決まって販売されているパッケージ等が対象で、大掛かりな個別開発は対象になりません。安いソフトをまとめれば自動的に下限を満たす、という読み方もできません。固定資産としての計上単位や、機械と一体で使用・計上する場合の扱いを確認します。

設備代金を整理するときの費目の分け方
費目・内容 主な扱い 相談時に伝えること
新品の機械装置・器具備品 金額、用途、期間などの要件を満たすものが候補です。 メーカー・型番・数量・単価・用途
ソフトウェア 金額の下限・上限、仕様、資産計上等の条件があります。 既製品か個別開発か、ライセンスや保守の内訳
搬入・据付等 本体購入先が行い、設備設置と一体と捉えられるものなどが候補です。 本体代と付帯費を区分した見積
中古機械、既存機械の修繕・撤去・処分 対象外です。 対象設備の購入と別の支出として資金を見込みます。
消費税、通常の運転資金等 本助成の対象経費に含められません。 設備導入までに必要な総支払額

見積書は、原則として同じメーカー・型番の設備について2社から取り、より安価な見積を採用する取扱いです。2社から入手できない場合は、所定の見積限定理由書を確認します。「設備一式」としか書かれていないと、何にいくら必要なのかが分からず、対象経費として判断できません。本体、付属品、据付、保守などを分けた見積を依頼すると、会社側の比較にも役立ちます。

なお、1基50万円以上という条件と、助成金の下限100万円は別の基準です。たとえば対象機械が税抜120万円で通常コースの3分の2を掛けると80万円となり、助成金の下限には届きません。条件を満たすためだけに設備を追加するのではなく、本当に必要な投資規模と制度の規模感が合うかを見てください。

助成金が入るまでの資金繰りも、後継者と共有する

助成金は後払いです。先ほどの対象経費1,200万円の設備を、消費税10%と仮定して購入するなら、設備代金だけで1,320万円の支払いが先に生じます。通常コースで800万円を受け取れた場合でも、受取り前に必要な現金が400万円で済むわけではありません。

この例の支払いと助成金だけを見ると、受領後の差引支出は520万円です。ただし、これは消費税の納税・仕入税額控除や法人税等の影響を反映していない、単純な現金収支の例です。最終的な税引後負担を示すものではありません。助成金の会計処理、固定資産の減価償却、税務上の取扱いは税理士に確認してください。

資金繰り表には、設備の支払いだけでなく、据付中に一時的に減る生産、従業員の習熟期間、材料の先行仕入、売上代金の回収時期も入れます。機械が届いた月から計画どおりの売上になるとは限らないため、稼働が数か月遅れた場合にも給与や仕入の支払いを続けられるかを確認すると、現経営者も後継者も判断しやすくなります。

設備の見積書と電卓を並べ、助成金の入金前に必要な資金を整理するイメージ

融資を併用する場合は、助成金の入金予定がずれたときの返済やつなぎ資金も金融機関へ相談できます。ただし、助成対象設備を担保に供することはできない旨が募集要項に記載されています。融資相談の際には助成対象の設備であることを伝え、担保や所有権に関する契約条件も確認してください。

採択されなかった場合に、自己資金で予定どおり導入するのか、規模を縮小するのか、時期を改めるのかも、先に話し合えると安心です。助成金の有無で事業の成り立ちが大きく変わるなら、設備の価格だけでなく、受注の確度や回収年数をもう一度見直す機会になります。

生産性の計画は、売上を大きく書くこととは違う

後継者チャレンジは、設備投資後の従業員1人当たり付加価値額、つまり労働生産性を年率3%以上向上させる計画が条件です。募集要項では、設備投資から3〜5年後のいずれかについて、3年後9%以上、4年後12%以上、5年後15%以上という確認の仕方が示されています。

この数字は「売上を毎年3%増やせばよい」という意味ではありません。制度でいう付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費の合計です。売上が増えても材料費や外注費が同じ割合で増える場合と、内製化によって付加価値が高まる場合では、設備投資の意味が異なります。申請様式の人数や計算方法に合わせ、経理担当者と数字をつなぎます。

たとえば、現在の付加価値額が6,000万円、計算上の従業員数が10人なら、1人当たり600万円です。同じ人数を前提に3年後9%の向上を考えると、1人当たり654万円、会社全体では6,540万円が計算上の目安になります。これは計算方法を説明する仮定であり、個別企業の達成可能性や採択を示すものではありません。

計画の根拠としては、加工時間が何分短くなるか、外注費がどれだけ減るか、不良や手直しがどの程度減るか、すでに相談を受けている受注に対応できるか、といった現場の情報が役立ちます。機械のカタログ上の最大能力と、自社の実際の稼働率は分けて考えると、数字を無理なく説明できます。

また、人員数だけを減らして生産性の数字を整える発想では、現場の負荷や技術継承を見落とすことがあります。設備で空いた時間を品質管理や後輩の指導へ充てるなど、従業員が働き続けやすい姿も後継者と描くことで、会社の将来につながる計画になります。

先代と後継者で考える、設備投資の具体例

加工会社が、外注していた工程を社内へ取り込む場合

都内で長く精密部品を作る会社を、従業員だった後継者が2027年1月に代表として引き継ぐとします。新しい設備によって外注工程の一部を内製化し、長年の取引先から求められていた短納期に対応する構想です。この場合は、対象となる承継時期・方法、都内の事業実態、設備導入の目的を順に確認します。

先代からは「この取引先は品質の安定を重視する」「繁忙期は検査に時間がかかる」といった経験を共有し、後継者からは設備の操作体制や受注計画を示します。設備単体の処理能力が上がっても、検査工程が追いつかなければ出荷は増えません。前後の工程を含めて計画を作ることが、実行段階での行き違いを減らします。

今年中に交換が必要な設備がある場合

別の会社で、故障が続く設備を2026年中に交換したいなら、第14回の対象期間とのずれがあります。助成金を使うために必要な交換を先送りすることが会社に合うとは限りません。緊急の交換は別途判断し、後継者が考える2027年春以降の新しい設備計画を分けて検討する、という選択肢があります。

どちらの例でも、助成金があることが投資の理由になるのではなく、自社の課題に合う投資を制度が支えてくれるかを確認する順番です。会社売却も選択肢にある場合は、買い手候補が望む設備と一致するとは限らないため、売却前の大型投資についてもアドバイザーと相談できます。関連する考え方は、会社売却前の企業価値向上をご覧ください。

東京都のほかの承継支援との違い

名称が似ていても、助成する目的や経費は異なります。後継者チャレンジは、主に生産やサービス提供に直接使う設備投資が中心です。一方、「事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース)」は、新規事業展開に伴う複数の費目を対象とし、助成限度額は800万円です。第2回の受付は2026年9月30日16時に終了しています。

2026年10月2日時点の一般コース公式案内にも受付終了と記載されています。現在申し込める制度として読み替えず、過去の募集内容との比較に使ってください。次回の募集時期・条件は、公表がなければ決めつけられません。

比較の軸は、「設備本体が中心か」「開発や販売まで含むか」「承継前の予定者か、承継後か」「必要な時期が対象期間に合うか」です。上限の大きさだけで選ぶより、支出と日程に合わせた方が候補を絞れます。一般コースの考え方は、事業承継後の新規事業に使える東京都の支援制度でも解説しています。

同じ設備について、公社の別助成事業への併願や、国・自治体等の助成を重ねて受けることには制限があります。制度名が異なるから併用できるとは限りません。他の申請がある場合は、申請済み・申請予定の制度名、設備、経費を一覧にして、それぞれの窓口に確認してください。

相談から申請まで、無理なく準備を進めるには

最初の相談までに、完成した事業計画書やすべての見積書をそろえる必要はありません。まずは「誰が、いつ頃引き継ぐ予定か」「どの設備で何を改善したいか」「おおよその金額と導入時期」を、分かる範囲で伝えるところから始められます。その上で、正式な申請に必要な資料を順に準備します。

申請書は誓約事項等のExcelと事業計画書のWordの両方を使い、後継者チャレンジでは事業承継概要書なども必要になります。登記事項、決算書、納税証明書、設備の仕様書・見積書、設置場所の資料、コースに応じた追加書類を、必ず第14回の書類一覧と照合してください。過去の申請様式をそのまま使うと、項目が合わない場合があります。

JグランツにはGビズIDプライムを使います。申請者のアカウント、登録されている代表者情報、認証方法を早めに確認すると、書類ができてからログインで困る事態を避けやすくなります。代表者交代を予定している場合は、どの時点でアカウント情報を変更するかも、GビズIDと公社の案内で確認します。

公社は第14回の個別相談会を、2026年10月9日に国分寺、10月26日に秋葉原で予定しています。事前登録制で、先着順・定員に達し次第締切です。空き枠を保証するものではありませんので、参加条件と最新の受付状況は公式案内の個別相談会欄をご覧ください。制度の問い合わせ先は、公社の設備支援課(03-3251-7884)です。

  • 承継の時期・方法について、決まっていることと相談中のことを分ける
  • 設備によって改善したい仕事や、お客様へのメリットを一つ書き出す
  • 発注・納品・支払いが対象期間に合うか、購入先と確認する
  • 見積の内訳と、助成対象外となる支出を分ける
  • 助成金の入金前に必要な資金を、経理担当者や金融機関と確認する
  • 後継者の面接への出席、申請書の説明、導入後の運用担当を相談する
  • 他制度への申請や、導入後の売却・移設予定を窓口に伝える

これは初回相談の条件ではなく、話し合いを進めるためのメモです。まだ後継者が決まっていない場合は、助成金の申請より前に、親族内承継、従業員承継、第三者への引継ぎを一緒に整理することもできます。東京の親族以外への事業承継では、それぞれの考え方を紹介しています。

採択後の報告や、将来の会社売却も見据えておく

設備を購入して助成金を受け取れば手続きがすべて終わるわけではありません。完了後の事業化状況報告、関係書類の保存、設備の管理などが続きます。後継者が申請資料の保管場所を把握し、担当者が変わっても報告できるようにすると、引継ぎの負担を減らせます。

処分制限期間内の設備の譲渡、貸付、廃棄、移設等は、事前の申出・承認や納付が必要となる場合があります。事業譲渡で設備も移す予定があるときは、売買契約の締結前に確認することが大切です。株式譲渡についても設備の所有者が変わるかだけで判断せず、申請資格や事業計画への影響を公社へ相談してください。

また、募集要項には、助成完了事業の企業名、所在地、テーマ名、事業内容等を公表する旨があります。これは会社の売却意向を一般に公開する手続きではありませんが、助成を受けた事業には公表の扱いがあるため、情報管理の方針と合わせて事前に確認しておくと安心です。

よくある質問

先代がまだ代表を務めていても検討できますか?

対象期間内に条件を満たす承継を予定している事業者も候補になります。また、先代と後継者がともに代表権を持つ場合の取扱いもFAQにあります。ただし、後継者の就任時期や事業の進め方など個別条件があります。助成金に合わせて退任を急がず、ご希望の引継ぎ方を公社へ説明して確認してください。

50万円の機械なら、1台から必ず申請できますか?

いいえ。1基の金額要件に加えて、助成金の下限100万円や事業内容の条件があります。設備の税抜価格に助成率を掛けた金額と、対象外の費用を分けて確認する必要があります。下限に届かせるために不要な設備を買うより、投資規模に合う別制度を相談する方法もあります。

先に購入した設備を、後から助成の対象にできますか?

今回の対象経費は、所定の助成対象期間内に契約・納品・支払いを完了するものです。既に買った設備を後から第14回の対象にすることはできません。助成対象期間の開始前に注文や契約をする場合も、対象外になることに注意してください。

「実質自己負担ゼロ」という提案を受けたらどう考えればよいですか?

この制度は自己負担を伴います。公社も、キャッシュバック等を利用して助成額を偽る勧誘について注意を促しています。見積と実際の支払いが異なる提案や、受給が必ず決まるような説明を受けた場合は、その場で契約せず、資料を公社へ示して確認してください。

申請の準備は専門家に任せられますか?

計画や数字の整理を相談することはできますが、申請企業自身が説明できる内容であることが必要です。募集要項では面接等への社外コンサルタントや顧問の同席・代行は認められていません。Jグランツの代理申請には別の所定手続きがあり、申請内容の確認・提出は申請者自身が行います。

設備を引き継ぐことは、先代が大切にしてきた仕事を次の世代が続けやすくする準備でもあります。助成金の条件とともに、ご自身が残したい強み、後継者が挑戦したいこと、従業員が安心して働ける環境を話し合う材料として、この制度を検討してみてください。

※本記事は2026年10月2日時点の公表資料に基づく一般的な情報です。申請資格・対象経費・日程・必要書類は最新の公式募集要項をご確認ください。試算は仮定に基づくもので、採択、助成額、投資効果を保証するものではありません。個別の税務・法務・資金調達については、税理士、弁護士、金融機関等へご相談ください。

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