事業承継で日本の未来へカケハシを

事業承継

東京都限定の事業承継に使える助成金について解説

東京都には、中小企業や個人事業主を支援するためのさまざまな助成金や補助金が存在します。しかし、その中でも「事業承継」に関する支援は、多くの事業者にとって非常に重要なテーマとなっています。事業の継続は、経済の持続的な成長や地域社会の活性化にも寄与するため、東京都もこの分野の支援を積極的に行っています。

その中の一つに、東京都中小企業振興公社が実施する「事業承継支援助成金」があります。事業の承継をスムーズに行うための経費を一部補助する制度です。2023年10~12月に第二回の公募が予定されています。まだ詳細の発表はない状況ですが、ご検討の方は、第一回の公募を参考に、早めにご準備ください。

この記事では、その詳細や申請方法、注意点などをわかりやすく解説していきます。事業承継を考えている方、またはこれから事業を始める方にとって、ぜひご参考頂けましたら幸いです。

事業承継支援助成金とは?

事業承継支援助成金の目的と背景

東京都内の中小企業が直面する事業承継の課題を解決し、持続的な成長と発展を実現するために、東京都は事業承継支援助成金を提供しています。この助成金は、都内中小企業が事業承継や経営改善を行う際に、外部専門家などのサポートを受けるための経費の一部を補助するものです。

具体的には、公益財団法人東京都中小企業振興公社が行う「事業承継・再生支援事業」、東京商工会議所や町田商工会議所、東京都商工会連合会などが行う「地域持続化支援事業」、一般社団法人東京都信用金庫協会や一般社団法人東京都信用組合協会が行う「地域金融機関による事業承継促進事業」、そして東京信用保証協会が行う「専門家派遣事業」の支援を受けた企業が対象となります。

事業承継とは、企業の経営権を次の世代や他の経営者に引き継ぐことを指します。具体的には、同一法人内での代表者の交代、個人事業の廃業や開業を伴う事業譲渡、または個人事業主から新設法人への事業譲渡などが含まれます。

このような事業承継は、経済の持続的な成長や地域経済の活性化にとって非常に重要です。しかし、適切な承継が行われないと、多くの企業が廃業を余儀なくされ、雇用の喪失や地域経済の停滞が生じる恐れがあります。この助成金は、そうした問題を防ぐための一助として、都内中小企業の円滑な事業承継や経営改善をサポートすることを目的としています。

事業承継支援助成金の助成額や支給率

東京都が実施する事業承継支援助成金は、中小企業の事業承継を円滑に進めるための経費の一部を助成する制度です。以下に、この助成金の主な内容を詳しく解説します。

助成限度額

  • 最大助成額:200万円
    • この金額までの経費が助成の対象となります。
  • 申請下限額:20万円
    • 助成金を申請するためには、最低でも20万円以上の経費が発生している必要があります。

助成率

  • 助成対象として認められる経費の3分の2以内
    • 例えば、100万円の経費が発生した場合、その3分の2、すなわち66万6,700円までが助成の対象となります。

助成対象経費

  • 助成対象事業の実施に要する経費の一部
    • 事業承継に関連する経費の中でも、特定の条件を満たすものが助成の対象となります。以下の記事で詳細に記載させて頂きます。

完了条件

  • 委託先からの納品予定物の納品を受け、経費の支出が完了していること
    • 助成金を受け取るためには、事業が完了し、関連する経費の支払いが終わっている必要があります。

この助成金を活用することで、事業承継に関する経費の負担を軽減し、スムーズな事業継続を実現することが期待されます。詳しい申請方法や条件などは、以下の記事を始め、東京都中小企業振興公社のHPをご覧ください。
東京都中小企業振興公社「事業承継支援助成金」第一回の公募ページは【こちら】
※2023年10~12月に第二回の公募が予定されているため、新しい公募ページが作成される可能性があります。

申請タイプと対象企業

対象となるのは、以下の条件を満たす中小企業となります。

詳しくは、東京都中小企業振興公社「事業承継支援助成金」第一回の公募ページもあわせてご覧ください。
東京都中小企業振興公社のHPは【こちら】
※2023年10~12月に第二回の公募が予定されているため、新しい公募ページが作成される可能性があります。

Aタイプ (後継者未定)

Aタイプは、事業承継の後継者がまだ決まっていない中小企業を対象としています。以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 支援事業の利用:特定の期間内に、公益財団法人東京都中小企業振興公社が行う「事業承継・再生支援事業」、東京商工会議所や町田商工会議所、東京都商工会連合会などが行う「地域持続化支援事業」、一般社団法人東京都信用金庫協会や一般社団法人東京都信用組合協会が行う「地域金融機関による事業承継促進事業」、または東京信用保証協会が行う「専門家派遣事業」のいずれかの支援を受けていること。
  • 助成対象事業の実施:公募要領に掲げられている事業を実施する必要があること。
  • 事業承継の予定:今後10年以内に事業承継を予定していること。基準日において、事業承継がまだ完了していない(代表権が引き継がれていない)ことが要件となります。
  • 公社以外の支援を受ける場合の条件:公社以外の支援を受けている場合、公社による現地診断(訪問による承継に関するヒアリング)を実施できること。

Bタイプ (後継者決定)

Bタイプは、事業承継の後継者がすでに決定している中小企業を対象としています。Aタイプと同じ条件を満たす必要があります。

Cタイプ (企業継続支援)

Cタイプは、企業の継続を支援するためのタイプです。以下の条件を満たす必要があります。

  • 公社による企業継続支援の利用:公益財団法人東京都中小企業振興公社が行う企業継続支援を受けていること。

Dタイプ (譲受支援)

Dタイプは、事業の譲受を支援するためのタイプです。以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 公社による現地診断の実施:特定の期間内に、公社が行う「事業承継・再生支援事業」による現地診断(訪問による承継に関するヒアリング)を実施できること。
  • 助成対象事業の実施:公募要領に掲げられている事業を実施する必要があること。
  • 譲受対象の中小企業との取引関係:基準日において取引を有する譲受対象の中小企業が、自社の主要事業の維持・発展に必要な先であること。基準日に取引のある取引先の譲受に限られます。

これらの条件を満たす中小企業は、事業承継支援助成金の対象として、助成金を活用することができます。

全てのタイプに共通する条件

対象となる企業は、助成事業の実施場所に関して以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 自社の事業所や工場での実施:助成事業は、企業自身の事業所や工場などの施設で行われることが求められます。これは、事業承継の具体的な取り組みや成果を現場で確認しやすくするための条件となります。
  2. 都内での実施が原則:助成事業の実施場所は、原則として東京都内であることが必要です。これにより、東京都が提供する助成金が都内の中小企業の発展や地域経済の活性化に寄与することを目指しています。
  3. 成果物の確認可能性:助成事業を通じて得られる成果物や予定される納品物などが確認できることが求められます。これは、助成金の適切な使用や事業の進捗を確認し、その成果を評価するための条件となります。

法人の場合

都内に本店や支店を持つこと:都内に登記簿上の本店や支店が存在し、申請時にその登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を提出できることが必要です。
都内での事業実績:都内で引き続き2年以上、実質的に事業を行っていることが条件となります。

個人事業者の場合

都内税務署への届け出:都内税務署に個人事業の開業・廃業等の届け出がされており、申請時にその届け出書の写し(税務署受付印のあるもの)を提出できることが必要です。
都内での事業実績:都内で引き続き2年以上、実質的に事業を行っていることが条件となります。

これらの条件を満たす企業は、事業承継支援助成金の対象として、助成金を活用することができます。

規模などの条件について

  1. 大企業が実質的に経営に参画していないこと
    「大企業」とは、以下の中小企業の基準に該当しない企業や個人を指します。ただし、中小企業投資育成株式会社や投資事業有限責任組合は除外されます。
    「大企業が実質的に経営に参画」とは、以下の条件のいずれかに該当する場合を指します。
    • 大企業が単独で発行済株式総数や出資総額の2分の1以上を所有または出資している場合
    • 大企業が複数で発行済株式総数や出資総額の3分の2以上を所有または出資している場合
    • 役員総数の2分の1以上が大企業の役員や職員が兼務している場合
    • その他、大企業が実質的に経営に関与している場合
  2. 業種と資本金・従業員数の基準
    • 製造業、建設業、運輸業、その他業種:資本金3億円以下 または 従業員300人以下
    • ゴム製品製造業の一部:資本金3億円以下 または 従業員900人以下
    • 卸売業:資本金1億円以下 または 従業員100人以下
    • サービス業(以下の業種を除く):資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下
    • ソフトウェア業、情報処理サービス業:資本金3億円以下 または 従業員300人以下
    • 旅館業:資本金5,000万円以下 または 従業員200人以下
    • 小売業:資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下

助成金の対象経費や注意点

ここでは、助成金の対象経費や、注意点について解説します。

事業承継支援助成金の対象経費

タイプ対象経費詳細
Aタイプ
(後継者未定)
事業承継(M&A等)財務、税務、法務等のデューデリジェンス(※譲渡側のみ助成対象)
人材紹介会社のサービス利用経費
FA、M&A仲介業者等との契約経費
※成功報酬に関わる費用は対象になりません。M&A支援登録機関への依頼のみ対象となります。
Bタイプ
(後継者決定)
事業承継 (譲渡 )株式譲渡、相続手続き等の外部専門家への業務委託経費
中核人材の確保や育成のための人材紹介会社等のサービス利用や研修経費
Cタイプ
(企業継続支援)
企業継続支援中核人材の確保や育成のための人材紹介会社等のサービス利用や研修経費
社内経営管理システムの構築経費
組織、人事等内部管理体制の整備経費
新市場開拓の市場調査経費
HP・パンフレット等の作成や更新経費
Ⅾタイプ
(譲受支援)
取引先の事業又は株式の譲受財務、税務、法務等のデューデリジェンス
契約書の作成やレビューの業務委託経費
事業統合(PMI)計画の策定経費

詳しくは、公募要領をご覧ください。
東京都中小企業振興公社「事業承継支援助成金」第一回の公募ページはこちら【こちら】
※2023年10~12月に第二回の公募が予定されているため、新しい公募ページが作成される可能性があります。

事業承継支援助成金の経費の注意点

事業承継支援助成金を申請する際、経費に関する要件や除外事項が設けられています。以下に、その主要なポイントをまとめました。

助成対象となる経費の要件

経費が助成対象となるためには、以下の全ての要件を満たす必要があります。

  • 助成対象事業として決定を受けた事業の経費であること
  • 助成対象期間内に契約、履行、支払が完了していること
  • 助成対象(使途、単価、規模等)の確認が可能で、明確に区分できる経費であること
  • 財産取得の場合、所有権(ソフトウェアの場合は著作権)が申請者に帰属する経費であること

助成対象とならない経費

以下の経費は助成対象外となります。

項目詳細
通常の取引・業務通常業務・取引と混合しての支払い、通常発生する顧問料
不備のある帳票見積書、契約書等の帳票類が不備の場合
関連会社との取引親会社、子会社、グループ企業等との取引
その他間接経費、市場価格に対して高額な経費、公的資金の不適切な用途、委託業務の再委託、振込以外の支払い方法

特に、関連会社との取引や、通常の取引・業務に関連する経費は注意が必要です。また、帳票に不備がある場合や、市場価格に対して著しく高額な経費も助成対象外となります。

助成金の申請の流れと必要書類

事業承継支援助成金の申請の流れ

事業承継支援助成金を申請する際の手続きは、以下のステップに分かれています。各ステップを正確に進めることで、円滑に助成金を受け取ることができます。

1. 申請エントリー

まず、助成金の申請を希望する企業は、公式のエントリーフォームや窓口を通じて申請の意思を伝えます。

2. 申請前相談・現地診断

申請前に、専門家や担当者との相談や現地での診断を受けることが推奨されます。これにより、申請内容の適切性や必要な書類の確認が行われます。

3. 申請書提出

必要な書類を整え、申請書を正式に提出します。

4. 審査

提出された申請書や関連書類は、専門の審査委員によって詳細に審査されます。

5. 交付決定

審査の結果、助成金の交付が決定されます。この際、交付の詳細や条件などが通知されます。

6. 事業の実施

交付決定を受けて、具体的な事業の実施を開始します。

7. 実績報告~助成金交付

事業が完了した後、その実績を報告し、無事に承認されると助成金が交付されます。

事業承継支援助成金の申請に必要な書類

事業承継支援助成金を申請する際には、以下の書類が必要となります。

申請前確認書、申請書(指定様式)

東京都中小企業振興公社のHPからダウンロードできます。
第一回の公募のページはこちら【こちら】
※2023年10~12月に第二回の公募が予定されているため、新しい公募ページが作成される可能性があります。

確定申告書の写し

都内税務署の受付印または電子申告の受信通知が必要。
法人の場合:直近2期分の全ての確定申告書の写し。
個人事業者の場合:直近2期分の確定申告書。

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

発行後3ヶ月以内のものが必要。
個人事業者の場合は、開業届の写し。

社歴(経歴)書

会社概要(パンフレット)でも可。

直近の事業税等の納税証明書

法人の場合:直近の法人事業税及び法人都民税の納税証明書。

個人事業者の場合:
事業税が課税対象の方:直近の個人事業税の納税証明書及び住民税納税証明書。
事業税が非課税の方:所得税納税証明書及び住民税納税証明書。

見積書

1件30万円(税込)以上の場合のみ必要。
委託業務の明細と納品予定物が確認できること。
具体的な業務内容が確認できるもの。

支援内容証明書(指定様式)

特定の支援事業を受けて申請する場合のみ添付。

事業承継計画書(指定様式)

申請タイプによって変動します。詳しくは、公募要領をご覧ください。
東京都中小企業振興公社「事業承継支援助成金」第一回の公募ページはこちら【こちら】
※2023年10~12月に第二回の公募が予定されているため、新しい公募ページが作成される可能性があります。

譲受対象(譲渡側)企業との商取引が確認できる資料

2​での申請の場合のみ要添付。
取引(基本)契約書等。

事業承継支援助成金の申請における注意点

事業承継支援助成金を申請する際には、以下の点に注意が必要です。

重複助成の禁止

同一のテーマ・内容・経費で、公社、国、都道府県や区市町村等からの助成を受けていないことを確認する必要があります。

申請の制限

一事業者につき、一つのタイプ(A~Ⅾタイプ)の申請のみが許可されます。同一のテーマ・内容・経費で、公社が実施する他の助成事業への併願申請や、同一年度の本助成事業の採択は認められません。

税金の滞納

税金等を滞納していないことが条件となります。新型コロナウイルス感染症の影響で税金の徴収猶予を受けている場合は、猶予許可通知書の提出が必要です。

債務の滞納

都や公社に対する賃料、使用料等の債務の支払いが滞っていないことを確認する必要があります。

不正行為の禁止

過去5年間に、公社、国、都道府県や区市町村等の助成事業に関して不正な行為をしていないことが条件となります。

状況報告書の提出

過去に公社から助成金を受けている場合、過去5年間に「状況報告書」等を所定の期日までに提出していることが必要です。

事業の継続性

民事再生法や会社更生法による申立て等、助成事業の継続に疑問が生じる状況が存在していないことを確認する必要があります。

まとめ

「事業承継支援助成金」は、事業の継続と成長を目指す多くの事業者にとって、大きな支えとなる制度です。東京都中小企業振興公社が提供するこの助成金を上手く活用することで、事業承継のプロセスがよりスムーズに、そして経済的な負担を軽減しながら進められます。

本記事を通じて、その詳細や申請の流れ、注意点などを理解していただけたことと思います。事業承継は、一つの節目とも言える大切なステップです。この助成金を活用し、次世代にしっかりと事業を継承していくための一助としてください。

最後に、事業の継続と発展は、地域社会全体の活性化にも繋がります。皆様の事業がさらに発展することを心より応援しています。

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