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東京の運輸・物流はどの区に集まる?23区の事業所分布を可視化

東京の運輸・物流|23区の事業所分布

東京で運輸・物流の拠点が集まる地域を調べると、大田区や江東区が目に留まります。ただ、運送会社の営業所、倉庫、航空会社や海運会社の本社では、同じ「運輸業」でも仕事の内容が違います。所在地だけで会社の特徴を判断する前に、何を数えた統計なのかを押さえておきたいところです。

2024年経済センサス‐基礎調査の確報によると、東京23区の「運輸業、郵便業」は、23の行政区を合計して9,064事業所、従業者35万5,967人です。事業所数は大田区1,127、江東区1,071、港区956の順で、この3区に約34.8%が集まっています。

この集計には鉄道やバス、タクシーなどの旅客運送も含まれます。物流会社だけの件数でも、売却を希望する会社の数でもありません。事業所数、従業者数、業種の内訳を順に見ると、自社の拠点や取引先の位置を説明する材料として使いやすくなります。

2024年の民営事業所を、同じ基準で比べる

「会社数」と「事業所数」は別の数字

事業所は、経済活動を行う場所ごとの単位です。1社が本社、営業所、倉庫を別の場所に持つ場合、それぞれが事業所として数えられることがあります。本社が港区、配送拠点が江東区にある会社なら、区別の表では別の地域に現れます。

そのため、「江東区には1,071社の物流会社がある」という言い換えはできません。本社所在地を基準に会社を数えた表と、活動場所を基準に事業所を数えた表では、答えている疑問が違います。会社売却の候補先を探す場合も、事業所数をそのまま候補企業数に置き換えないようにします。

2026年に公表されている数字でも、調査日は2024年

今回使うのは総務省統計局の「令和6年経済センサス‐基礎調査(甲調査)」の確報、第4‐1A表と第4‐1B表です。調査日は2024年6月1日、確報の公表日は2025年12月24日です。2026年10月29日に公表状況と原表を確認しました。

2025年の経済センサス‐基礎調査も公表されていますが、そちらは国・地方公共団体の事業所を対象にする乙調査です。民営の運輸事業所を比べる今回の目的では、2024年の甲調査確報を使います。2026年現在の営業所の開設・閉鎖や人員をそのまま表すものではありません。

対象は民営事業所ですが、雇用者のいない個人経営の事業所は除かれます。1人で営む個人の配送業など、身近に見える事業者がすべて入っているわけではありません。法人、雇用者のいる個人経営などを含む統計であり、中小企業だけを抜き出した結果でもありません。

23区の合計と、原表の「特別区部」の差

本文の23区合計は、千代田区から江戸川区まで、地域コード13101〜13123の値を足したものです。原表の「特別区部」は9,067事業所、35万6,013人で、今回の合計より3事業所、46人多くなっています。

この差は、原表に別掲された「境界未定地域」の値です。区別の順位や構成比をそろえて比較するため、その3事業所・46人を23区の分母には加えていません。公式の特別区部合計を誤りとして修正したわけではなく、集計する地域範囲を分けています。

事業所数は大田区、江東区、港区の順

23区を事業所数の多い順に並べました。「23区内の割合」は、その区の事業所数を23区合計9,064で割った構成比です。「1事業所当たり」は従業者数を事業所数で割った平均で、典型的な会社の従業員数ではありません。

東京23区の運輸業・郵便業:事業所数と従業者数
区・順位事業所数従業者数(人)23区内の割合1事業所当たり
1位 大田区1,12767,75312.4%60.1人
2位 江東区1,07142,23411.8%39.4人
3位 港区95631,94210.5%33.4人
4位 中央区68020,4757.5%30.1人
5位 江戸川区67817,0587.5%25.2人
6位 足立区63319,5947.0%31.0人
7位 千代田区59126,9316.5%45.6人
8位 品川区46618,8785.1%40.5人
9位 板橋区36514,2294.0%39.0人
10位 練馬区2939,6733.2%33.0人
11位 世田谷区26511,4032.9%43.0人
12位 葛飾区2528,8642.8%35.2人
13位 新宿区2368,8072.6%37.3人
14位 台東区2168,8202.4%40.8人
15位 墨田区1845,5422.0%30.1人
16位 渋谷区17111,2051.9%65.5人
17位 杉並区1637,1401.8%43.8人
18位 北区1578,7611.7%55.8人
19位 荒川区1404,3271.5%30.9人
20位 豊島区1233,7091.4%30.2人
21位 文京区1152,1031.3%18.3人
22位 中野区1113,7601.2%33.9人
23位 目黒区712,7590.8%38.9人
23行政区合計9,064355,967100.0%39.3人

出典:経済センサス‐基礎調査結果(総務省統計局)第4‐1A表・第4‐1B表を基に作成。2024年6月1日現在。境界未定地域を除く23行政区を合算。構成比=各区の事業所数÷9,064×100。1事業所当たり=各区の従業者数÷事業所数。小数第2位を四捨五入し小数第1位まで表示。丸めにより割合の合計は100%と一致しない場合があります。

東京23区の運輸業・郵便業の事業所数上位10区。大田区1,127、江東区1,071、港区956。
図1 運輸業・郵便業の事業所数上位10区。出典:経済センサス‐基礎調査結果(総務省統計局)第4‐1A表を基に作成。上位3区の構成比=3,154÷9,064×100。小数第2位を四捨五入。

大田区と江東区はどちらも1,000事業所を超えています。2区を足すと2,198事業所で、23区合計の約24.3%です。ここに港区を加えた3区は3,154事業所、約34.8%になります。

4位の中央区は680、5位の江戸川区は678で、差は2事業所です。順位に差が付いていても、規模が大きく離れているわけではありません。こうした僅差を、立地の優劣や将来性の差として読むのは適切ではないでしょう。

足立区633、千代田区591、品川区466が続きます。臨海部だけでなく都心部や区部の東側・北側にも拠点が分布していることが分かります。ただし、この表だけでは各事業所が保管・輸送を行う現場なのか、本社や営業の機能なのかまでは区別できません。

道路貨物、倉庫、航空では集まる区が違う

「運輸業、郵便業」という一つの大分類にまとめると、業種ごとの違いが見えにくくなります。23区全体の内訳では道路貨物運送業が4,672事業所と多く、全体の約51.5%です。続く運輸に附帯するサービス業は1,883事業所、倉庫業は920事業所でした。

以下は、事業所数が多い地域を中心に、原表の産業中分類を抜き出した比較です。表の「附帯サービス」は正式分類の「運輸に附帯するサービス業」を短くした表記です。すべての中分類を載せているわけではないため、横に足しても各区の運輸業・郵便業全体には一致しません。

主な区の産業中分類別事業所数(単位:事業所)
区道路貨物倉庫航空水運附帯サービス
大田区544195595240
江東区5911861621183
港区2769144113386
中央区242581181254
江戸川区503511759
足立区40654–261
千代田区213452489169
品川区21465614128
23行政区合計4,6729201663601,883

出典:経済センサス‐基礎調査結果(総務省統計局)第4‐1A表を基に作成。「−」は該当する数値がないもの。5つの中分類を抜粋しており、鉄道・道路旅客・郵便業はこの表では省略しています。区内の業種構成比=該当中分類の事業所数÷その区の運輸業・郵便業事業所数×100。23区の中分類構成比の分母は9,064。小数第2位を四捨五入。

江東区は道路貨物と倉庫、大田区は航空も目立つ

江東区の道路貨物運送業は591事業所、倉庫業は186事業所です。大田区は道路貨物544、倉庫195に加え、航空運輸業が59事業所あります。同じく運輸業・郵便業が多い2区でも、構成は同じではありません。

東京港には大井、青海、品川、中央防波堤外側などのコンテナ埠頭があり、東京港埠頭株式会社の公式案内でも管理施設として確認できます。港や空港、関連する道路網は、地域の仕事を考える際の具体的な手掛かりです。ただし、今回の区別統計は、どの施設が何件の立地を生んだかを分析した資料ではありません。施設の存在と事業所の集中を確認できても、それだけで因果関係や寄与率は断定できません。

物流拠点について後継者へ説明するときには、「江東区にある」という住所の情報に、扱う貨物、顧客の位置、集荷・配送先、倉庫の機能を重ねると役割が伝わります。統計の区分に自社の業務を合わせすぎず、実際にどの仕事を担っているかを別に残すのが役立ちます。

江戸川区・足立区を「港から遠い」とだけ見ない

江戸川区の道路貨物運送業は503事業所、足立区は406事業所です。運輸業・郵便業全体に占める割合を計算すると、江戸川区は約74.2%、足立区は約64.1%になります。どちらも23区全体の約51.5%を上回ります。

区全体の件数だけで見る場合と、道路貨物に絞る場合では、地域の見え方が変わります。例えば道路貨物の事業所数は江戸川区が港区の276を上回りますが、運輸業・郵便業全体では港区の方が多くなっています。自社の仕事と近い中分類まで見ることで、比較対象が具体的になります。

これは配送のしやすさ、採算、荷主の数を測った結果ではありません。実際の輸送は区境を越えて行われます。自社の拠点を評価する場合は、区単位の統計と、実際の運行・配送の範囲を分けて考えると、所在地だけで結論を急がずに済みます。

港区・中央区は附帯サービスの比重が大きい

港区の運輸に附帯するサービス業は386事業所、中央区は254事業所です。各区の運輸業・郵便業全体に占める割合は、それぞれ約40.4%、約37.4%。23区全体の約20.8%より高くなっています。

日本標準産業分類では、運輸に附帯するサービス業に港湾運送、貨物運送取扱、運送代理店、こん包、運輸施設提供などが含まれます。トラックで荷物を運ぶ事業所だけでなく、運送を手配する仕事や関連サービスの事業所も、運輸業の集まりを形作っています。

また、港区の水運業は113事業所、千代田区は89、中央区は81です。水運業の事業所が内陸側の都心にあることと、その場所で船舶の積み下ろしが行われることは別です。本社・管理機能を含む場所単位の統計であることを、ここでも思い出しておきたいところです。

従業者数を見ると、大田区の規模がさらに大きく見える

事業所数が同じでも、1拠点に所属する人数は違います。運輸業・郵便業の従業者数は、大田区6万7,753人、江東区4万2,234人、港区3万1,942人の順です。大田区は23区の事業所数の約12.4%に対し、従業者数では約19.0%を占めます。

大田区の航空運輸業は59事業所、従業者2万4,412人でした。事業所数に占める割合は比較的小さくても、従業者数の構成では大きな存在になります。「拠点が多い地域」と「人数が集中する地域」を同じ意味で使わない理由です。

東京23区の産業中分類別構成比。道路貨物は事業所51.5%・従業者31.6%、航空は事業所1.8%・従業者9.0%。
図2 産業中分類別に比べた事業所数と従業者数の構成比。出典:経済センサス‐基礎調査結果(総務省統計局)第4‐1A表・第4‐1B表を基に作成。事業所構成比の分母は9,064、従業者構成比の分母は355,967人。小数第2位を四捨五入。道路旅客はバス・タクシー等を含み、物流のみに限定した図ではありません。

23区全体では、道路貨物運送業の事業所数は約51.5%ですが、従業者数の割合は約31.6%です。航空運輸業は事業所数約1.8%に対し、従業者数約9.0%。この違いは各業種の平均的な拠点規模を読む材料になりますが、労働生産性や収益性を示すものではありません。

例えば渋谷区は171事業所で事業所数順位は16位ですが、従業者は1万1,205人、1事業所当たり約65.5人です。原表では鉄道業の従業者8,300人が含まれています。全体の平均が高いからといって、渋谷区の小さな配送会社まで一律に大きいと考えることはできません。

なお、従業者は調査日現在、その事業所に所属して働く人です。別の会社へ出向・派遣している人を含み、他社から受け入れていて自社から賃金を支給していない人は含めないなど、数え方に定義があります。ドライバー数、現場に実際にいる人数、募集人数とは一致しません。

区の中でどれくらい存在感があるかも確認する

港区は運輸業・郵便業の事業所が956ありますが、区内の全産業の事業所数も多い地域です。運輸業・郵便業が区内全体に占める割合を計算すると約2.2%です。江東区は約6.1%、大田区は約4.8%、江戸川区は約4.2%、足立区は約3.5%でした。

区内の全産業に占める運輸業・郵便業の割合
区全産業の事業所数運輸・郵便の割合全産業の従業者数(人)運輸・郵便の割合
大田区23,6444.8%344,35919.7%
江東区17,6396.1%418,16510.1%
港区43,0582.2%1,260,8722.5%
中央区34,7112.0%789,8362.6%
江戸川区16,1404.2%175,5879.7%
足立区17,8513.5%212,1459.2%

出典:経済センサス‐基礎調査結果(総務省統計局)第4‐1A表・第4‐1B表を基に作成。全産業は原表の「AR 全産業(S 公務を除く)」で、同じ甲調査の対象範囲。事業所割合=区内の運輸業・郵便業事業所数÷区内全産業事業所数×100。従業者割合も対応する人数で計算。小数第2位を四捨五入。

従業者の割合でも、江東区約10.1%に対し大田区は約19.7%となっています。大田区では、集計対象の従業者のおよそ5人に1人が運輸業・郵便業に所属する計算です。人数の大きさに加え、地域の産業構成の中での位置が見えてきます。

この割合は、区内の全産業を分母にした値です。全産業の事業所数は、産業が把握された民営事業所の集計値であり、事業内容等不詳の事業所を含む存在総数ではありません。「23区の運輸業・郵便業のうち、その区が何%を占めるか」とは分母が違います。資料を社内で使うときは、単に「割合」と書かず、「23区内の構成比」または「区内全産業に占める割合」と添えると、説明が行き違いにくくなります。

人口が多い区、面積が広い区、事業所が多い区という見方もありますが、今回は人口・面積当たりの密度を計算していません。区内での存在感は読めても、人が暮らす地域への影響や道路の混雑までこの割合から判断することはできません。

地域の数字から、自社の拠点の説明へつなげる

本社、営業所、倉庫の役割を一枚にまとめる

経営者が交代するとき、住所録だけを渡しても、各拠点を残してきた理由までは伝わりません。後継者が知りたいのは、「誰に、何を、どの範囲で届けるために、その場所が必要なのか」という点です。区別統計は、その説明の周辺に置く資料として使えます。

例えば、本社は都心にあり、倉庫と配送拠点は別の区にある会社を考えます。地域全体の件数を見て「本社の区に倉庫も集めよう」と決める前に、拠点別の仕事、顧客との距離、従業員の通勤、保管条件を整理します。これは統計から導いた移転の推奨ではなく、判断に必要な社内情報をそろえるための例です。

自社の拠点を後継者へ説明するときの整理例
記録すること具体的な内容区別統計と分けて確認する理由
拠点の仕事本社管理、受注、保管、集荷、配送など同じ運輸業でも機能が違うため
顧客との関係主な集荷先・配送先と、その拠点が必要な理由区の件数は顧客数や取引継続を示さないため
人と業務担当者、技能、繁忙期、拠点間の応援統計の従業者数だけでは現場体制が分からないため
場所と設備車庫・倉庫の利用形態、設備、保管条件住所だけでは拠点の使い方が伝わらないため
引継ぎ時の確認事項顧客や関係先への説明、更新時期、資料の保管先統計にない自社固有の情報を残すため

上表は公的統計の集計結果ではなく、記事内で作成した整理例です。

最初から詳細な計画書を完成させる必要はありません。経営者が把握している拠点ごとの役割と、次に確認したいことを分けて書くだけでも、後継者や相談先との話を始めやすくなります。長年の取引の経緯は、経営ノウハウや判断基準を引き継ぐ方法でも整理しています。

近隣の会社を調べるときは、件数の次に仕事の内容を見る

事業所が多い地域には、同じ業務の会社だけでなく、役割の違う事業所が含まれます。近隣の協力先や承継の相手を考える場合も、まず道路貨物、倉庫、取扱・代理店など、どの仕事を補いたいのかを言葉にすると調査範囲が絞れます。

そのうえで、各社が公表する営業拠点、取扱貨物、対応地域などを個別に確認します。区内件数が多いことは、希望条件に合う会社が多いことを保証しません。後継者の有無や売却意向も、経済センサスには含まれていない情報です。

東京23区の全産業の集まりと比較する場合は、今回の原表にある「全産業」の値を同じ地域範囲で確認できます。業種をまたいで比べる際にも、調査年、民営・公営、個人経営の対象範囲が同じかを確認してください。

比較で取り違えやすいこと

2021年からの増減を、この2表だけで計算しない

2021年の経済センサス‐活動調査には、今回対象外となった雇用者のいない個人経営の事業所が含まれます。分類の改定もあるため、表の見た目が似ていても、件数をそのまま引いて増減率にすると、対象範囲の差を実際の開廃業と取り違えるおそれがあります。

総務省統計局も、2024年甲調査と過去調査の比較に注意を促しています。今回の記事は2024年の同じ条件にそろえた地域比較に限定し、「運輸業が増えている区」「減っている区」という順位は作っていません。

売上や企業価値は、事業所数からは分からない

運輸業・郵便業は、統計上、事業所単位で売上を把握しないネットワーク型産業に含まれます。会社全体の売上を一つの営業所の売上と見なしたり、区の従業者数に全国の平均売上を掛けて市場規模を出したりすると、実態と離れた数字になりかねません。

会社の利益、借入金、設備、取引の継続性などは今回のデータにはありません。所在地が上位の区にあることだけで会社が高く売れるとも、事業所数が少ない区だから承継が難しいとも判断できません。所在地は会社を説明する材料の一つとして使い、価格や条件は個別の資料で確かめます。

平均値と人手不足を結び付けない

1事業所当たりの従業者数が少なくても、採用に困っているとは限りません。もともと少人数で回る業務かもしれず、他社への委託や拠点の分け方が影響している可能性もあります。逆に人数が多い地域で、人材が余っていると考えることもできません。

後継者へ残す情報としては、統計上の平均より、担当業務、必要な技能、シフト、繁忙期、外部への委託内容の方が直接役立つ場面があります。統計を自社の状態の代わりにせず、確認すべき問いを見つけるために使います。

よくある疑問

郵便局はすべて運輸業・郵便業に入っていますか

いいえ。「郵便業」という名称だけから、街で見かける郵便局をすべて同じ大分類に数えることはできません。日本標準産業分類には「複合サービス事業」の中に郵便局・郵便局受託業という区分もあります。今回の表は「H 運輸業、郵便業」に格付けされた事業所を集計しています。

一人で配送業をしている個人事業主も含まれますか

雇用者のいない個人経営の事業所は、今回使用した2024年甲調査の対象から除かれます。法人の事業所を人数だけで同じように除外するという意味ではありません。個人事業者まで含めた地域の実態を知りたい場合は、統計の対象範囲を確認したうえで別の情報を補います。

1事業所当たりの人数を自社の適正人数にしてもよいですか

適正人数の基準にはできません。航空、鉄道、道路貨物などの構成や本社・現場の役割が混ざった平均です。自社と似た業務や拠点規模を確認せずに、採用人数や人件費の目標へ使うと比較がずれます。

23区の数字で東京都全体を説明できますか

区部の特徴は読めますが、多摩地域や島しょ地域まで同じ構成とは限りません。同じ原表で東京都全体は1万1,168事業所、42万3,399人です。23行政区の合計はその約81.2%、約84.1%を占めますが、残る地域の拠点や仕事もあります。都内全域を対象にする計画なら、各市町村のデータも別に確認します。

拠点の多さと、仕事の違いを一緒に読む

東京の運輸・物流の地域分布は、事業所の総数だけを見るより、道路貨物、倉庫、航空、関連サービスという仕事の違いと、従業者数を組み合わせると理解しやすくなります。自社の住所が何位の区にあるかより、その場所で何を担ってきたのかを説明できることが、後継者との対話につながります。

統計を読む段階で、売却や移転を決める必要はありません。現在の体制で続ける、親族や従業員へ引き継ぐ、第三者と連携するなどを比べるために、自社の拠点の役割を整理するところから始められます。相談の入口を知りたい方は、東京都事業承継・引継ぎ支援センターの相談範囲と利用の流れもご覧ください。

主な出典

本文の割合・平均は、上記原表から記事内で計算しています。東京都全体に対する23区の割合は、事業所数9,064÷11,168×100、従業者数355,967÷423,399×100。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで表示。調査日・公表日・情報確認日は異なります。

※本記事は2026年10月29日に確認した公表資料に基づく一般的な情報です。統計の対象時点は2024年6月1日で、現在の個別事業所の状況を示すものではありません。比率・平均などは本文に示した条件による記事内の計算であり、特定の取引、立地、事業承継の方法を推奨・保証するものではありません。制度や情報は変更される場合があります。個別の契約・税務・事業承継の判断は、弁護士・税理士・公認会計士・M&Aの専門家などへご確認ください。

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