事業承継で日本の未来へカケハシを

事業承継

事業承継の対策と流れ。具体的な承継方法とメリット・デメリットを解説

事業承継とは?事業承継の基本的な流れ

まず事業承継はどのようなものなのか、また、どのような方法で行われるのか、ご紹介させて頂きます。

事業承継とは?

事業承継とは、文字通り、事業や会社を次の世代や他の人へ引き継ぐことを指します。これは、オーナーや経営者が変わる際のスムーズな移行を目指すものです。具体的には、会社の経営やブランド、顧客との関係など、大切なものすべてを新しい経営者に託す行為となります。

事業承継の基本的な流れ

それでは、事業承継の基本的な流れを解説します。
厳密には、個人と法人で、詳しいお手続きの内容は変わってしまうのですが、ここではわかりやすく、共通する大まかな流れをご紹介させて頂きます。

①事業・会社の現状を確認

最初に行うのは、事業や会社の現状の把握です。会社の資産や負債、事業の規模や売上、そして従業員の数など、全体の状況をしっかりと把握することが大切です。

②オーナー様の理想の状況を確認

次に、事業承継後にどのような状況を望むのか、オーナー様の意向をしっかりと確認します。オーナー様の夢や理想を実現するための方向性を決める重要なステップとなります。

③承継方法を決める

親族承継や親族外承継、M&Aなど、さまざまな方法が考えられます。オーナー様の意向や事業の状況を元に、最適な方法を選択します。

④事業承継の計画を作る

ここで具体的な計画を立てる時がきました。時期や方法、資金調達の方法など、詳細なプランを作成していきます。

⑤後継者又は引継ぎ先探し

承継方法に応じて、後継者や引継ぎ先を見つけます。信頼できる相手を見つけることが、スムーズな事業承継のカギとなります。

⑥決めた相手に引継ぎの開始

相手が決まったら、具体的な引継ぎの作業を開始します。情報の共有や業務の流れの説明など、詳しく進めていきます。

⑦関係者に対して説明

事業承継の計画や後継者を関係者に説明します。透明性を持ってコミュニケーションを取ることで、不安や疑問を解消していきます。

⑧引継ぎ後の手続き

最後に、引継ぎ後の各種手続きを行います。法的な手続きや契約の変更など、きちんと整理しておくことが大切です。

承継する3つの方法とメリット・デメリット

事業承継を行う場合、3つの方法があります。
それが、

・親族内承継
・親族外承継
・M&A

です。

ここでは、それぞれの方法について、メリットや懸念点、ポイントについてご紹介させて頂きます。

親族内承継

事業承継で一般的なのが、親族、つまり親族内での承継です。
親族内での事業承継は、信頼や安心感を基盤にしていますが、それだけにデリケートな部分も多くなります。

・メリット

安心の継続性

親族という繋がりは、関係者や取引先に安心感を持たせます。事業の方針が大きく変わることが少なく、スムーズな移行が期待されます。

育成期間の豊富さ

家族内であれば、早いうちから次世代への育成を始めることができ、事業のノウハウや価値観をじっくりと引き継ぐことができます。

資産管理のシンプルさ

親族内での移転は、財産や株式を円滑に移すことが可能で、複雑な経営の分離を避けることができます。

・デメリット

適材適所の難しさ

家族内で理想的な後継者を見つけるのは難しいことも。家族だからといって、ビジネスの才能があるとは限りません。

感情絡みの課題

家族という特有の繋がりがあるため、事業と感情の絡み合いで問題が生じることも。特に、後継者選びに関して他の家族の意見や感情を考慮するのは難しい課題となることも。

・ポイント

後継者行への意向の確認

事業を承継する意向や意欲を家族間でしっかりと共有しておくことが大切です。

後継者の経験作りとしてのステップアップ

事業のリーダーとして必要な経験やスキルは、段階的に習得させるのがベスト。適切な時期に、適切な教育やトレーニングが必要です。

親族内での資産配分

事業関連の資産や株式をどのように配分するかは、親族間でのトラブルの原因となりやすい。専門家の意見を取り入れながら計画的に進めることが重要です。

親族外承継

共同創業者や有望な従業員様など、親族では無いですが、社内の身内に引き継ぐ方法です。
身内の安心感もありながら、新しい風をもたらし、企業の更なる成長も期待できる方法です。

・メリット

親族に限定されず選択肢が広がる

親族内だけに限らず、企業内外からの承継候補を探せます。

信頼している仲間に引き継げる

会社の歴史や文化に詳しい従業員が引き継ぐことで、会社の方針やビジョンをスムーズに継続することが期待できます。

・デメリット

適切な後継者の不足

適当な経営資質と意欲を持つ後継者が見つからない可能性があります。

資金面の問題

従業員などが経営を引き継ぐ場合、株式の購入資金が不足していることが多いです。

個人補償の課題

個人補償の引き継ぎや連帯保証人の問題が生じやすいです。

・ポイント

候補者への意思確認

従業員が当初から経営者を志して入社したわけではないので、承継意向のアナウンスや確認は早めに行いましょう。

後継者に事業資産や株式をしっかり引き継がせてあげる

後継者が安定して経営を進めるためには、株式や事業資産を集中させることが必要です。融資やMBOなどの手法を活用し、適切に対応しましょう。

個人補償の問題

既存のオーナーとの債務の取り決めや報酬の再設定など、経営のスムーズな移行のための取り決めをしっかりと行うことが必要です。

M&A

後継者不在などの問題解決策として活用される手法です。

・メリット

多様な選択肢

後継者としてふさわしい人材が社内にいない場合でも、外部から広範な候補者を探すことができます。

利益の獲得

経営者は、会社の売却を通じて一定の利益を享受できる可能性があります。

・デメリット

マッチングの難しさ

理想的な買い手を見つけることは容易ではありません。特に、雇用や価格に関する条件が合致する場合は稀です。

経営の継続性

新たな経営体制の下で、経営の統一性やコミットメントを保持するのは難しい場面も出てきます。

・ポイント

企業価値の向上

買収される側として、高い価値を持つ会社となるための取り組みが必要です。例えば、業績の最適化や企業の強みの特定と強化などです。

アドバイザー・専門家の活用

M&Aを成功させるためには、専門家や仲介機関のサポートを積極的に取り入れることを推奨します。これには、税務や法務のアドバイスも含まれます。

情報管理の徹底

M&Aのプロセス中、関連情報が不適切に外部に流れることは避けるべきです。社内外の不要な混乱を防ぐため、情報の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。

事前にできる事業承継の対策。スムーズな引継ぎに向けて

ここでは、スムーズな事業承継のために、事前にどんな準備や工夫ができるのかご紹介させて頂きます。

なるべく早くから準備に着手して頂く

事業承継は思っている以上に時間と手間がかかります。早めに計画を立て、必要な手続きや準備を進めていくことが大切です。

後継者候補がいる場合は教育を早目から開始して頂く

後継者が決まっている場合、その人に必要な知識やスキルを教えておくことが大切です。早めの段階から経営の流れを理解してもらうことで、スムーズな引継ぎが期待できます。

節税対策の確認と準備

事業承継にはさまざまな税金がかかる場合があります。節税のための手続きや対策をしっかりと確認し、早めに準備をしておくことがおすすめです。

承継に向けた事業の改善・磨き込み

事業を引き継いでもらうためには、事業そのものを魅力的にしておくことが必要です。事業の強化やブランド力の向上を目指しましょう。

親族内承継の場合は事前の話し合いに十分な時間を

親族間での承継を考えている場合、事前の話し合いをしっかりと行うことが重要です。感情のもつれや意見の食い違いを避けるため、早めに意向を確認し合いましょう。

専門家からの情報収集をお早目に。そして継続的に

事業承継は専門的な知識が求められることも多いです。コンサルタント、税理士、弁護士など、専門家の意見やアドバイスを早めに求めることで、安心して進めることができます。

まとめ

本日は事業承継の基本的な流れと、引き継ぐ具体的な方法についてご紹介させて頂きました。

事業承継は一見難しそうに思えますが、手順に分けて1つずつ実施頂くことで確実に進めていくことができます。

一番大切なのは、オーナー社長様の望む事業承継の形から逆算して、進め方を決めて頂くことです。

専門家からの情報収集も参考にされながら、理想の事業承継を進めて頂けましたら幸いです。

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